カナダ留学の事前説明で素晴らしいプログラムであることを謳い、現地で実態とかけ離れた留学であることが多数報告されているという。AERA 2024年10月14日号の記事より。
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カナダでは、新たにできた留学制度の被害報告が上がり始めている。語学の学びに加え現地企業で有給のインターンシップ(就業体験)をしながら学べるとうたう「Co-op(コープ)留学」という制度。マーケティングなどを企業内で実践的に学べると各斡旋業者が広告を出して募集している。農家やカフェ店員などが多いワーキングホリデーと比べると、オフィスワーカーとして働けるのが魅力の制度なのだが、実際にインターンシップまでこぎ着ける人は少ない。
実力と合っているか
カナダ留学に詳しい「カナダクラブ」の大澤眞知子さんの所にも、最近Co-op留学がらみの相談が寄せられているという。日本の大学を休学して1年間のCo-op留学に申し込んだ学生からの相談メールには、渡航してみると期待していたサポートはなく、解約したいができないと書かれていた。学生は、留学エージェントに相談の段階で英語に自信がないことを話していた。だがエージェント側は「語学学校で半年勉強するから大丈夫!」と、Co-op留学を勧めてきた。現地に行くと授業は講義スタイルのただの語学研修で、追加料金を払って留学生のための英語の授業も受けたが、マーケティングのインターンシップに応募できるほどの力もつかず、インターンシップ先を探すためのサポートもなかった。大澤さんによれば、カナダの企業でインターンシップをするには、TOEFLだと100ぐらいのスコアが必要だという。「現地の大学や州立のカレッジに入り、英語で専門知識を学び、マーケティングなどのスキルを身につけてからインターンシップに行くなら分かります。英語力もそれほどないのに、大丈夫だと押し切るような業者は気をつけないといけない」(大澤さん)。留学は支払う金額も高いため、やめて新たに留学するのは経済的に難しい人も多い。大澤さんは「申し込むプログラムと本人の実力が合っているかを必ず考えてほしい」と忠告する。