今季から中日でプレーする中田翔
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 昨オフの移籍で注目を集めた中田翔の新旧所属チームが“明暗”を分けた。昨年まで在籍した巨人は2020年以来となるリーグ制覇を果たし、新天地となった中日は3年連続の最下位危機に陥っている。自身の成績も芳しくなく、球界屈指のスラッガーにキャリアの分かれ目が来ているという声も多い。

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 9月末、二軍の大阪遠征に中田の姿があった。「やることは何も変わらない」と呟き、真夏のような炎天下の中で汗だくでバットを振っていた。

「シーズン最終盤に二軍遠征に帯同していることが異様な光景。同遠征にはビシエド、中島宏之といったスター選手もおりファンは喜んだだろうが、本人たちは複雑極まりなかったはず」(中日関係者)

 中日は今季、春先こそ首位に立った時期もあったものの、その後はズルズルと後退。9月18日には3年契約の最終年を迎えていた立浪和義監督が退任を表明した。立浪監督は多くの批判を一身に受け続けたが、選手では中田が同じような立場となった。

「開幕前、中日は投手陣が豊富に見え若手野手の成長も感じられた。経験と実績が豊富な中田にはチームの柱となり優勝請負人の役割を求められたが、一軍で62試合の出場では話にならない。夏場以降はネット上を中心に戦犯扱いされ続けた」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 中田は長年得点不足に悩まされてきたチームの“救世主”として期待された。6月14日のロッテ戦(ZOZOマリン)では決勝打を放つなど持ち前の勝負強さも見せたが、怪我での離脱も多く、ここまで打率.217(212打数46安打)、4本塁打、21打点と低迷。立浪監督が直々に獲得に動いた2年総額6億円(推定)の男は期待を大きく裏切る形となった。加えて前所属球団の巨人が優勝したことも逆風を強めた。

「巨人時代も存在感は発揮していたが優勝には貢献できなかった。複数年契約を自ら破棄して中日へ移籍したが一軍出場試合数は減少、加えて昨年限りで退団した巨人が優勝してしまった。流れが悪いというか、居心地は良くないだろう」(中日OB)

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中田翔の獲得は“損”だった?