他人の「幸せ自慢」には、心が揺らいでしまうものです。 Xフォロワー約30万人の元自衛官ぱやぱやくんは、「本当に幸せな人は、幸せ自慢をしない」と語ります。独裁国家のプロパガンダになぞらえ、幸せを強調する裏には揺らぎやすい不安が潜んでいると指摘。幸せとは他人の評価ではなく、自分自身の中にあるものを見つけることが大切。そんなメッセージを、著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお届けします。
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誰かの幸せ自慢を聞いて心が揺らいだときには、「本当に幸せな人は、幸せ自慢なんてしない」という言葉を覚えておきましょう。
幸せ自慢というのは、独裁国家によくあるプロパガンダのようなものです。
「偉大なる指導者のおかげで……」「我が国は世界で最も素晴らしく……」という感じに似ています。どこか聞き覚えがある人もいるかもしれません。
独裁国家が、やたらと自分たちの良い部分を宣伝するのは、その独裁的な権力の地位が非常に揺らぎやすくて、不安定であることの裏返しだと、私は思っています。
独裁者は常にクーデタなどにおびえ、権力を奪い取ろうとする側近におびえ、そして自分に対して反乱を起こそうとしている勢力におびえ続けているのです。
だからこそ、自分の良い面をことさら強調して、そのおびえを少しでも和らげようとしているのです。
これと同じことをしているのが、「幸せ自慢をしている人」だと思うのです。
要するに、幸せ自慢をしている人が、ことさら幸せをアピールしているかといえば、それは幸せが極めて揺らぎやすいからこそなのです。
もしあなたが、めちゃくちゃ幸せな生活を送っていると想像してみてください。
そのときの「幸せ」を言語化するのって、とても難しいのではないでしょうか。
一方で、マウンティング交じりに、今の生活の幸せをアピールしようとする人は、わざわざ「子どもが一流大学に入学して……」とか「旦那が一流企業で……」と、世間的に良いとされるイメージに限定して、紹介してくるのです。
たしかに、そうしたことも幸せの一部かもしれません。でも、本当に幸せだったら、そんなことに言及することすら、思い浮かばないでしょう。
なぜなら、本当に幸せな人にとっては、そんなものは、ただの日常に過ぎないからです。つまり、わざわざ言葉にして話すことではないと思っているのです。