桜井日奈子(写真:Pasya/アフロ)

「コスモ石油」のCMも卒業

 本人も言っていたとおり、近年の桜井はピークアウトした感が否めなかった。2021年までは、深夜ドラマやウェブドラマでたびたび主演を務めていたものの、最近は脇役やゲスト出演が続いている。

 さらに、かつては「花王」や「JR東日本」など大手企業のCMに複数出演し「CMクイーン」と呼ばれた時期もあったが、いつしか大手によるCM起用が減少。約7年間出演した「コスモ石油」のCMも、今年3月に賀来賢人へとバトンタッチされた。前出の編集者が言う。

写真集の会見では“劣化”が指摘され苦悩した過去や、ブレーク後の仕事減少といった言いづらいことを、堂々と話す桜井さんの姿が印象的でした。そんな彼女の実直でウソのない人柄こそ、根強いファンが多い理由なのかもしれません。加えて、彼女は今回の写真集について、人気が落ちたから肌を露出したのではなく『私が表現したくて出した写真集』だと強調していました。こうした真剣な思いがファンに伝わったようで、同書は発売日に2度目の重版が決定。オリコン調べでは、初週で4380冊を売り上げたそうです」

 そんな“進化”した桜井について、芸能評論家の三杉武氏はこう語る。

「健康的な美しさで『岡山の奇跡』と呼ばれてブレークした桜井さんは、やはり清純派女優の路線を歩んできた印象があります。もっとも、年齢やキャリアを重ねた近年は、映画『魔女の香水』で平岡祐太さんを相手に濃厚なキスシーンを好演したり、今年4月期の連続ドラマ『95』で激しいベッドシーンに挑戦したりと“脱清純派”の気配も見受けられます。デビュー10周年を機に、女優として新たな魅力を打ち出す覚悟をしたのでしょう」

 外見だけでなく、内面も生まれ変わった印象の桜井。成熟した魅力を武器に、再びブレークする日が来るかもしれない。

(小林保子)

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