パレード終了後に12金融機関が寄付
この表によると、兵庫県内13の金融機関が、計2250万円の寄付をしているが、優勝パレードが行われた11月23日より前に寄付をしたのは2金融機関だけで、12機関はパレード終了後に寄付をしていることがわかる。
入手した一覧表を県幹部にも見せたところ、「この通りだ」と認めた。
また、大阪府で優勝パレードにかかわった職員に見せたところ、
「こちらで把握している兵庫県の金額と一覧表は同じです。大阪府も楽に寄付を集められたわけではないです。ただ、兵庫県のように優勝パレードの後の寄付というのはほとんどない」
と話した。
元県民局長の内部告発文書に「幹事社」と記されていた但陽信用金庫は、11月17日に50万円を寄付し、パレード後の28日にも再度250万円を寄付している。
この経緯について同信金に電話で問い合わせたところ、
「私、但陽信用金庫の理事長、桑田と申します。優勝パレードのこと、これ、あんた書いたんか」
と、記者に電話がかかってきた。但陽信金の桑田純一郎理事長だった。
先の優勝パレードの記事について意見を言いたかったようだ。記事は取材に基づいていることを説明し、改めて取材の意図を文書で送ると、担当者から回答があった。回答では、非公開だった300万円の寄付額を認めたうえで、次のように記している。
片山副知事の依頼で追加の協賛
〈令和5年11月17日、兵庫・大阪連携「阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード実行委員会」から、優勝パレートの開催にかかる寄付・協賛についての依頼文書が添付されたメールが当金庫宛てに届き、当金庫は、同日中に、50万円の協賛申込みをいたしました。
その後の同月21日、片山副知事が当金庫本店を来訪され、パレードの資金が不足しているとのことで、あらためて協賛の依頼がありました。当金庫内にてあらためて検討し、同月22日に追加で250万円の協賛をすることで内諾し、同月28日に追加で250万円の協賛申込みをし、合計300万円の協賛をするに至った次第です〉
片山氏が訪問して依頼したことが寄付の増額につながったことは認めている。ただ、補助金の増額と寄付の関係については、
〈片山副知事が当金庫を来訪されパレードへの協賛依頼の際に、補助金のことは一切話題となっていない〉
との回答だった。