優勝パレード実施について会見した、左から大阪府の吉村洋文知事、関西経済連合会の松本正義会長、斎藤知事=2023年9月22日

刑事告発もされたキックバック疑惑

 告発文書が正しければ、金融機関向けの補助金を増額する裏で、その一部を寄付金として出すよう、県と金融機関の間に「密約」があったということになる。

 この問題について、斎藤知事はこれまで「補助金とパレードは別」などと関係を否定してきているが、AERA dot.は先の記事で、「補助金とパレードへの寄付はセットだった」という金融機関幹部の重要な証言を報じた。

 また、東京都の男性が、9月2日に大阪地検特捜部に斎藤知事と片山安孝前副知事の行為が背任にあたるとして、刑事告発状を提出した。告発状によると、補助金の増額と引き換えに金融機関に優勝パレードへの寄付を求めたことは、不要な補助金増額によって県に損害を与えた違背行為である、としている。

 兵庫県明石市の前市長で、市長時代に斎藤知事に何度も「ものを申して」、携帯電話の着信拒否をされたという泉房穂氏はこう話す。

阪神オリックスの優勝パレードの問題では、AERA dot.が詳しく報じていたように、税金が不当に使われた可能性がある。補助金は税金であり、3億円もの税金が、不透明な形で使われたとなれば大きな問題だ。刑事告発という疑念を招いているだけでも県政が停滞し、知事として進退にかかわる」

 金融機関の寄付の実態について、県は企業や団体が寄付した受付日などは公開したものの、金額については情報公開でも「黒塗り」をして、明らかにしていない。

 AERA dot.は、複数の関係者を取材し、寄付をした金融機関名とその寄付金額、寄付の受付日などの一覧を独自に入手した。それが添付の表だ。

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