自民党員に郵送されてきた高市氏のリーフレット

 岸田文雄首相は17日、党本部で森山裕総務会長らと協議し、選管に追加の対応の検討を指示した。総裁選に立候補した林芳正官房長官の陣営も18日、高市氏が送ったリーフレットで、党員が投票先を誤解する混乱が生じていると、選管に文書で報告して対応を求めた。

 はたして、高市氏のリーフレット送付は“意図的”だったのか。その内実について、高市陣営の関係者に話を聞くことができた。

 この関係者によると、郵送したのは約30万部で「それ以上はない」と断言。全国には100万人超の自民党員がいるが、その中の30万人をどのように抽出したのかを問うと、意外な答えが返ってきた。

「必ずしも党員だけに出しているわけではないんです。高市は全国で講演会に呼ばれ、たとえば北海道や福岡でも1500人規模の人が集まる。そうした講演に来てくれた人にも送っています。高市が呼びかけて党員になってくれた人、寄付をしてくれた人、付き合いのある党員が紹介してくれた人などにも送っています」

 この関係者によると、リーフレットは昨年12月に企画され、今年7月には原稿をそろえ、8月1日に業者に納品していたという。

「8月1日には契約が済んでおり、高市事務所の手を離れています。まだ総裁選の日程も何も決まっていない時期です。毎年、奈良県の後援会には国政報告を出すんですが、3年に1回、選挙のある年には後援会の拡大活動をしています。それは総裁選とは関係なく、衆院選があるような年は全国の方に出していて、今回もその一環です」

 では、8月1日に納品したリーフレットが、なぜ1カ月以上もたった9月上旬に到着したのか。関係者はこう答える。

「経費を少しでも安く抑えるために、業者さんに依頼して、投函するエリアごとに郵便番号をそろえて、各管轄の郵便局に持ち込むことにしました。そうすると、普通郵便で1通84円のところが57円で済みます。ただ、デメリットは配達に1週間くらい余分にかかること。業者さんが発送するまで時間がかかったり、郵送期間が長くなった関係で、遅いエリアでは9月10日や12日に着くところもありました」

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「他陣営も郵送してるじゃないか」