「パ・リーグ向き」と評価される濱口遥大
DeNAの左腕、濱口遥大(29)はパ・リーグ球団からの評価が高い。ドラフト1位で入団し、1年目の17年に10勝をマーク。ソフトバンクと対戦した日本シリーズでは4戦目に先発し、8回1死まで無安打無失点の快投を見せた。だが、翌18年からは制球難で先発ローテーションに年間通じて定着できないシーズンが続き、勝ち星は二けたに達しない。今季は9試合登板で2勝4敗、防御率2.89。7月15日の広島戦で4安打完投勝利を飾ったが、8月6日の中日戦では5回途中5失点と試合を作れず4敗目。このマウンドを最後に、1軍登板機会がない。
パ・リーグ球団の編成担当は「ファームでの登板もチェックしていますが、パ・リーグ向きの投手だなと。制球はアバウトですが直球に力があるので押し込める。大きく落ちるチェンジアップも対策が難しい球です。広い球場で伸び伸び投げたほうが好成績を残せるのでは。ドラフト1位で獲得した投手ですし、DeNAは先発陣が安定しているとは言えないのでトレードの駒にするかは不透明ですが、起用法を見ると他球団のほうが輝けるように感じます」と指摘する。
今季はノーアーチの安田尚憲
ロッテの安田尚憲(25)もなかなか殻を破れない。同期の村上宗隆(ヤクルト)、清宮幸太郎(日本ハム)と共に「高校ビッグ3」と称された和製大砲だが、2ケタ本塁打を記録したシーズンがない。プロ7年目の今季は49試合出場で打率.225、0本塁打、15打点。4月に腰痛で戦列を離れると、約3週間後に復帰した後も1、2軍を往復する状況。中村奨吾と三塁の定位置争いで後れを取っている。シーズンは残り試合が少なくなっているが、ノーアーチが続いている状況は不本意だろう。
セ・リーグ球団のスカウトは、「村上、清宮は生粋のホームランアーティストですが、安田は広角にライナーを飛ばす中距離打者だと思います。高校時代から見ていますが、プロ入り以降は能力の半分も出し切れていないので歯がゆいですね。打席を見ていても、迷いが感じられます。ボール球に手を出して空振りする場面が目立ちますし、1軍で結果を出さないといけないという気持ちが先走って本来のスイングができていない。環境を変えるのも一つの選択肢だと思います」と語る。