鈴木涼美さん
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 作家・鈴木涼美さんの連載「涼美ネエサンの(特に役に立たない)オンナのお悩み道場」。本日は特別に、悩めるオトコにお越しいただきました。

【写真】キャバクラのロッカールームで…20代の鈴木さん

Q. 【vol.23】性欲はあるけれど恋愛経験ゼロなワタシ(20代男性/ハンドルネーム「悠星(ゆうせい)」)

 学部3年生の男性です。私は”恋愛”にまったく縁がありません。彼女はできたことがありませんし、セックスやキス、手をつなぐなどもしたことがありません。彼女が欲しいと思っていますが、実現はできていません。それでも性欲はありますし、自分はヘテロセクシュアルだと思います。現在は、恋愛しまくりでも、経験ゼロでも個人の自由である時代だと思います。ゼロの人が、恋愛上手な人をうらやむ必要がないことも分かります。

 ただ、私が好きなさまざまな文学や映画、漫画、アニメ、ゲームなどに触れていると、恋愛や愛情、セックスが人間が生きる上で大切なものだと知ります。多少なりとも恋愛やセックスに興味はある私が、それらを経験せずに年齢を重ねていくかもしれないことにモヤモヤを感じます。鈴木様は、恋愛やセックスに縁のない人生をどう思いますでしょうか?

 追伸:私のような若年者は少なくないと感じています。私の友人にも同じような人が多いです(男性ですが)。「付き合うってどうやってそこにいたるの?」「他人と愛情を与えあうなんてありえるの?」という思いがあります。女性にアプローチなんて、そもそも邪魔で迷惑なことを積極的にするのは控えたい……というリスク回避思考が若者に広がりつつあるのもなんとなく感じています。

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鈴木涼美

鈴木涼美

1983年、東京都生まれ。慶應義塾大学在学中にAV女優としてデビューし、キャバクラなどで働きつつ、東京大学大学院修士課程を修了。日本経済新聞社で5年半勤務した後、フリーの文筆家に転身。恋愛コラムやエッセイなど活躍の幅を広げる中、小説第一作の『ギフテッド』、第二作の『グレイスレス』は、芥川賞候補に選出された。著書に、『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』『非・絶滅男女図鑑 男はホントに話を聞かないし、女も頑固に地図は読まない』など。近著は、源氏物語を題材にした小説『YUKARI』

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