ロッテ時代にも30番を着けていた小林だが、巨人では1セーブ1ホールド、防御率5.14と結果を出せず、わずか1年で戦力外に。30番は翌11年、ドラフト2位で入団したルーキー右腕・宮国椋丞に与えられた。

「大投手であります、江川さんと同じ番号であり、とても光栄です。先発完投型を目指して頑張りたい」とプロでの飛躍を誓った宮国は、高卒2年目に早くも先発で6勝を挙げ、翌13年には20歳で開幕投手も務めた。だが、その後は故障が相次ぎ、心機一転58番に変更した20年も結果を出せず、オフに自由契約になった(翌21年にDeNA入団)。

 とはいえ、9年間30番を背負い、WBC出場の内海哲也の代役ながら、栄光の開幕投手にもなったことから、「30番イコール宮国」と記憶するファンも少なくないはずだ。

 その後、30番は日本ハムから移籍の鍵谷陽平を経て、現在の近藤に受け継がれ、“移籍選手の番号”になりつつある。

 今後、「巨人の30番は〇〇」と言われるような生え抜きの先発投手は、現れるだろうか?(文・久保田龍雄)

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久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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