高市氏が党員に郵送したリーフレット(取材した自民党員提供)

出馬会見と同じ内容のリーフレット

 関東地方に住む自民党支援者が、こう話す。

「うちは家族3人が自民党員ですが、3人全員に高市氏からリーフレットが届きました。届いたのは9日、高市氏の出馬会見の日です。ただ、党員である家族の一人は家を出て別のところに住んでいて、自民党本部には住所変更も出しているのに、なぜか引っ越し先ではなく、こちらの家に届きました。総裁選には多くが立候補するのに、リーフレットが郵送されてきたのは高市氏だけで、おかしいなと思っていたら、ニュースで『注意』されたと知りました」

 この支援者が、リーフレットと封筒の写真を提供してくれた。

 封筒には高市氏の地元、奈良2区の政党支部の住所が記されている。タイトルは、

〈AUTUMN/ 2024 早苗代議士の国政報告リポート THE REPRESENTATIVE〉

 と「国政報告」の形をとっているが、〈こんにちは! 高市早苗です。〉と始まる文章では、

〈「私の基本的な考え方」について、書かせていただきます!〉
〈日本を、守り抜きます!〉
〈「総合的」な国力を強化します!〉

 などと記されている。

 先の支援者は、「高市氏の9日の記者会見のフレーズ、そのままじゃん」とあきれる。

リーフレット郵送問題を指摘された後、高市氏は、

「総裁選には関係がない」

 と火消しに走っていたが、内容を見れば総裁選に向けたものであることは明らかだ。

総裁選で上川氏を支援しているA議員はこう話した。

「過去の総裁選の例から、推薦人20人を集めて党本部に届けを出して認められると、党員名簿を入手することができます。その前は見ることができません。関東地方の支援者が以前の住所でリーフレットが高市氏から届いたということは、2021年の党員名簿を使ったのではないか。そうなると目的外使用になりますよね。大量の印刷、郵送をするにはけっこう時間がかかります。総裁選に合わせて組織的にやったことだと感じます」

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上川氏のため派閥から推薦人を出してくれた大物とは