小泉氏への支援を訴える菅元首相(左)

安倍派に気遣い感じた小泉氏の会見

 総裁選出馬に走り出した小泉氏には、支援したいという議員が多く集まった。若手議員だけでなく、菅義偉元首相(無派閥)、武田良太元総務相(二階派)、萩生田光一前政調会長(安倍派)ら重鎮たちも支援の動きを見せる。11日には総裁選出馬を模索していた野田聖子元総務省も、自らの立候補を断念し、小泉氏の推薦人になることを明らかにした。

 総裁選に立候補を表明している加藤勝信元官房長官や、出馬を模索して断念した斎藤健経産相について、先の藤川氏がこう話す。

「加藤氏、斎藤氏はどちらも菅氏と良好な関係。決選投票になれば小泉氏を支援することは間違いない。小泉政権ができれば斎藤氏が官房長官で、加藤氏は幹事長か外相かともいわれており、総裁選で名前を出して箔をつけ、小泉政権でのポストを狙う算段ではないか」

 一方、小泉氏を支援する萩生田氏は安倍派5人衆の一人であり、裏金事件で党役職停止1年の処分を受けた立場。また、武田氏も裏金に関与し、同じ役職停止1年の処分を受けている。総裁選では、石破氏の推薦人の調整をしたり、出馬を狙う加藤氏の相談にのったりと、二階俊博元幹事長に代わって“暗躍”していると永田町では伝えられる。

 裏金に関与した議員に、小泉氏はどのような立場をとるのか。

 小泉氏は立候補表明の記者会見で、
「この1年で発覚した政治資金問題については、自民党としての処分を下しました。岸田総理は責任を取り、退任を決断しました。残るは国民の皆さんに審判を仰ぐことです。(裏金議員を)選挙で公認するかどうかは、説明責任を果たしてきたかや再発防止への取り組みを進めているかで判断する」
 などと述べるにとどまった。

 裏金議員について、石破氏は「非公認」にする可能性に触れ、河野氏は「裏金の返還」をアピールした。この2氏と比較すると小泉氏の対応はゆるい内容だ。

「推薦人になるであろう安倍派議員や萩生田氏や武田氏に気を遣ったのかな。石破氏や河野氏のように裏金議員にはきつく触れなかった。裏金議員であっても、総裁選では1票をもっているからね。最も総裁の椅子に近いので、無理をしなかったんでしょう」(前出・自民党閣僚経験者)

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小泉氏は総裁選でこのまま逃げ切れるのか?