首相になっても「ブロックする」と宣言
今回の総裁選は10人超が出馬に意欲を示しており、これまでの自民党総裁選史上最多の候補者数となるのは確実な乱戦模様だ。河野陣営の関係者はこう話す。
「仮に10人が出馬したとすると、それぞれ20人の推薦人が必要なので、それだけで自民党国会議員367人のうち200人分の票が割れることになる。全国の党員・党友の票は国会議員と同数の367票ですので、まずは党員・党友票を確実に取ることがカギになってきます」
自民党には党員が全国に100万人超いる。河野陣営は、前回の総裁選では手分けして、全国の党員・党友に電話作戦を実行した。
「前回は名簿をもとに、1人で500件くらい電話をかけました。他の支援者にもお願いしてかけています。ただ、とにかく労力がかかるし、到底間に合わないので、途中からは自動音声をやりだしたんです。電話を入れさせていただいた時の評価は高かったので、それが党員、党友の票につながったのではないか。同時に、政策をまとめた文書も郵送しました」(同)
ただ、自民党の総裁選挙管理委員会(逢沢一郎委員長)は「お金のかからない選挙」にするために、今回の総裁選は「自動音声」での電話作戦や政策パンフレットなどの文書郵送も認めない方針を3日に発表した。これについて、河野陣営関係者は「まだ細かな取り決めは下りてきていないので何とも言えませんが……もちろん、方針にのっとっていきたいと思います」と頭を悩ませている。
河野氏と言えば、SNSでの発信力を自負する反面、特定の人からのアクセスを制限する「ブロック機能」を多用することでも知られる。これには、国民の意見を広く聞くべき立場にある政治家が、反対意見を表明した人を「ブロック」するのはおかしいのでは、とたびたび批判されてきた。だが、河野氏は出馬表明後の報道番組で「何らかの誹謗(ひぼう)中傷を止めないといけない。1つは法的な手段に訴えること。もう1つ簡単にできるのはブロックすること」「SNS上で誹謗中傷されたらブロックすることをお勧めしたい。ブロックしたことを『何だ』といって批判をするのはおかしいと声を大にして申し上げたい」と改めて主張した。