著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』

 この事件は、ヒトラーがチェコスロバキアにあるズデーテン地方を「ドイツ人居住者が多い」という理由で、チェコスロバキアや各国に圧力をかけた際、「大規模な戦争は回避したい」と考えたイギリスの首相ネヴィル=チェンバレンが主導し、ミュンヘン会談でヒトラーの要求を受け入れ、チェコスロバキアの意思とは関係なく、ズデーデン地方がドイツに割譲されたという出来事です。

 このように戦いを避けて譲歩したことによって、ナチスドイツは勢いを増し、さらなる領土獲得の野心を抱くようになっていき、最終的にはナチスドイツはポーランドにも侵攻を行い、第二次世界大戦へと発展していってしまうのです。

 私が在籍していた防衛大学校で行われる「防衛学」の講義では、このズデーテン割譲はテーマとしてよく取り上げられます。

 こうして、防衛大生は「譲歩という手段で戦いを避けると、かえって戦火が拡大することもある」という教訓を基礎として学ぶのです。
 

 この話は、人間関係にも当てはまると思います。

 もちろん「自分が悪い」こともあるので、謝罪が必要なときはあります。

 しかし、「不条理だ」「ありえない」と思ったときには、一度立ち止まって考えましょう。

 すぐに謝ることは大切ですが、こうした場合には、毅然とした態度を取るほうが身を守ることにつながることもあります。

(ぱやぱやくん)

暮らしとモノ班 for promotion
賃貸住宅でも大丈夫!?憧れの”壁掛け棚”を自分の部屋につけてみた