その鬱憤ポイントはさまざまなことに利用できるのだ。UPN(うっぷん)カードで快適生活! なんて素晴らしいのでしょう!!
あー、だったら「いかり」だけでなく、「よろこび」も「かなしみ」も「せつなさ」も「いとしさ」も「こころづよさ」も、みんなポイントにして利用できないだろうか。有り余るさまざまな感情を数値化するんだよ。そうすれば感情を塞ぎ込むことなく、心を解き放つことで、改めて自分を客観視できるのではないか。
「あー、オレの胸のうちにはこんな想いが、これだけ渦巻いていたのか」と。
……ふと、今、「自分はなんでこんなことを書いてるんだろう?」と不思議に感じているのだが、テレビをつけると「インサイド・ヘッド2」なる映画のCMが流れている。なに? これ? ちょっと待ってくれ。これはことによると今私がツラツラと書いていた原稿をそのまま映画化した「オマージュ」作品じゃないのか!?
ディズニーめー。ピクサーめー。インサイド・ヘッドめー。
やりやがったな……。きっと俺の頭になにかよくわからない機械を埋め込んで、脳内のステキなアイデアを盗んだに違いない!!!
早速訴訟の支度にかかろうと、1も2も観たことがない私はネットでストーリーだけ調べてみたら「インサイド・ヘッド」は女の子が感情のポイントを貯めてカードで買い物する映画ではなかったし、女の子は首から袋もぶら下げてないようだ。もっと内容が深そうだ。ごめんなさい。
だが、ぜひ観てみたい! 1はディズニープラスに加入すれば観られるようだが、どうしても私はDVDが欲しいのだ。ネット弱者の私は「Amazonで買ってくれ」と家内に頼んだら「自分でやらんかい!」と言いつつ手続きをしてくれた。やさしい。
そんなことも一人でできない自分を省みて、仮にUPNカードがあったとしてもたぶん手続きも活用もできないんだろうな……と途方に暮れる。
やはり私には堪忍の袋を胸に下げ、破れたら縫うくらいがちょうどいい。