君塚直隆さん(きみづか・なおたか)/1967年、東京都生まれ。専攻はイギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史。著書に『立憲君主制の現在』『貴族とは何か』ほか(写真:本人提供)
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 筑波大学附属高校3年の悠仁さまの進学先が注目されている。進学先の候補として、さまざまな大学の名が報じられてきたが、東大進学も噂されている。君塚直隆・関東学院大学教授はどう見るのか。AERA 2024年9月9日号より。

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 進学問題が、様々な臆測を呼んでいるのは、悠仁親王が一般入試ではなく、推薦で東大を受験されるとされていることと、そもそも小学校から学習院ではないところに行かれていることにあるでしょう。そして、これまでとは違う教育方針であるにもかかわらず、宮内庁からは詳細な説明がないことがさらなる臆測を呼び、一連の問題に繋がっていると思います。

 英国王室の教育方針は、エリザベス女王の時代まではガバネス(governess)と呼ばれる、女の子の場合は、女性の家庭教師に習うという、古い教育方針でした。しかし19世紀後半あたりから男子は、徐々に大学で学ぶようになります。チャールズ国王もケンブリッジ大学で学んでいます。幼少期には王位継承が決まっていたので、高等教育の進路は政府、宗教界、親戚たちの間で話し合われました。チャールズの長男であるウィリアム、次男のハリーは、普通の小学校から名門パブリックスクールであるイートン校に通いました。英国王室は、チャールズの代から一般と同じ教育を受ける方針へと変わっています。

 ただし家庭内では、15歳くらいから専門家に国政、憲法、歴史などを学んでいます。進学についても、イギリスのAO入試は、志望する各カレッジの入試部長との面接が必要です。オックスフォード、ケンブリッジクラスへの進学ならば、当然中等教育での上位評価が必要になります。

 チャールズもウィリアムも学業は、とても優秀でした。ウィリアムは、スコットランドの名門セント・アンドリューズ大学へ行き、そこでキャサリンさんとも出会いました。ハリーは勉強は苦手でしたので、イートン校のあとはサンドハースト王立陸軍士官学校に行っています。今のジョージ王子も、イートン校に進学すると言われています。

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