「内向的な人の幸福戦略」著者の精神科医Tomyさん
この記事の写真をすべて見る

 人との距離を縮めたいのに、上手くいかない。「内向的な人」の中には、そうした悩みを抱える人も多いのではないだろうか。精神科医Tomy氏は、新刊『「内向的な人」の幸福戦略』の中で、「好意を示すことの重要性」を解説している。同書から一部抜粋して解説する。

*  *  *

Q:人との距離を縮められません。

精神科医Tomy:人との距離って、無理に縮めなくても良いと思うんですよね。相手とアナタの快適な距離というのがあって、勝手にそのポジションになっていくと解釈したほうがいいと思います。

 もし無理に縮めようとしたとしても、一時的なものにしかならず、最終的にはしかるべき距離になっていく。つまり、人との距離っていうのは、あるがままにしかならないのです。もし、アナタが相手との距離を縮められないのであれば、それがアナタにとっても、相手にとってもちょうどいいんです。

 ですから、最初にやるべきことは「無理に縮めなくても良い」と念頭に置くことです。逆に無理に縮めようとしすぎると、ぎこちなくなって上手くいくものも上手くいかなくなるかもしれません。

 ただ、多分アナタが悩んでいるのは、その手前の問題なのかもしれませんね。アナタが内向的で、相手と人間関係を作ろうとしていることすら伝えられない。すると、本来の距離感に移行するも何も、人間関係としてつながらない。それであれば、まず自分が相手に好意があることを見せるというのが良いと思います。

 あっという間に誰とでも仲良くなれる人ってこれが上手なんですよね。人なつっこくて警戒心を見せない。さらに積極的に話しかけてくる。アテクシ、最近犬を飼い始めたんですけど、犬を想像してみるとわかると思います。

 ノーリアクションの犬って怖いですよね。リアクションがないと、近づくと吠えたり噛んだりするんじゃないかなと思ってしまう。だから近寄りたくないですよね。一方で、しっぽふって飛び回っている犬はどうでしょう。もうこちらから近づいてかまってあげたくなりますよね。

 この原理は人間関係でも同じことです。ただ人間にはしっぽはありませんから、他の方法を考えなくてはいけません。

 でも、実はそんな大したことはありません。目を合わせる、挨拶する。ニコッと笑う。頑張って話しかける。こんなことでいいのです。

 内向的な人は話しかけるのが苦手ですが、実はこれは「上手く話せなかったらどうしよう」って思うからなんですね。でも上手く話せる必要なんかないんです。しどろもどろでも、謎の沈黙があってもいいんです。

 相手からすれば、アナタが話下手なのも内向的なのも見て取れるはずです。それでも一生懸命コンタクトしようとしているのがわかるので、充分好意は伝わるのです。目的は面白い話をするのではなくて、アナタの好意が相手に伝わればいいのですからね。

まとめ:大切なことは相手に好意を見せること。上手く話せなくてもいいから、話しかけてみる。

【内向型を自認するすべての人へ】好評4刷の新刊『「内向的な人」の幸福戦略』では、内向型が知っておくべき思考法・処世術を解説。人間関係や人生の悩みを解消してくれる。

「内向的な人」の幸福戦略