AERA 2024年9月9日号より

半導体御三家トップ3

 1株投資サービスでは、どんな銘柄が人気なのだろう。今年1月4日から7月31日に、1株投資で買われた銘柄のデータを出してもらった。「買われた金額」でランキングすると、トップ3に半導体関連の大型株が並んだ。1位が東京エレクトロン(株価2万8055円/通常の最低投資金額280万5500円)、2位がレーザーテック(同2万8970円/289万7千円)、3位がディスコ(同4万6020円/460万2千円)。

 新NISAでは「成長投資枠」で日本株が買えるが、年間投資上限は240万円。これらの半導体御三家は一撃で枠をオーバーしてしまい、買えない。それが1株投資サービスを使えば100分の1から買えるわけで、上位に来るのも納得である。

「保有している株数が多い順」でランキングすると、株価が低位かつ高配当利回りで人気の日本電信電話=NTT(株価152.2円)がトップ、2位がみずほフィナンシャルグループ(同3090円)、3位が三菱UFJフィナンシャル・グループ(同1543.5円)だった。

「当社では『お客さまが初めて投資した銘柄』のデータを定期的に集計していますが、長らくNTTがトップです」

 初心者はそんなにNTTが好きなのか。知っている企業で、倒産しなさそうで、配当利回りもいい、値動きも激しくなさそう──というと、ファーストチョイスは限られてくるのかも。

 買われた金額で見ても、保有株数で見ても、4位以下の銘柄は似ている。二つのランキングで重複しているのは日本たばこ産業=JT、KDDI、三菱重工業、三菱商事、東京海上ホールディングスなど。

「相場動向にかかわらず、課税口座・新NISA口座の区別もなく、高配当株が人気です。長年見てきましたが、個人投資家に好まれる銘柄は昔からさほど変わりません。当社にはアクティブに多額の取引をされる方もいらっしゃいますが、今は新NISAで少額投資をする方が増えています。今回のランキングにも、その結果が出ています」(経済ジャーナリスト・向井翔太/編集部・中島晶子)

AERA 2024年9月9日号より

AERA 2024年9月9日号

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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