安達太良川で犠牲者への祈りを捧げる両陛下=2019年12月、福島県、代表撮影/JMPA

 学習院高等科時代から青年期にかけて、天皇陛下の友人として過ごしたアンドルー・B・アークリーさんは、かつて記者にこんな話をしたことがある。

「たとえば、私たちが東宮御所で会う約束をしていても、国内で災害が起これば、すぐに侍従さんから中止の連絡がきました」

 アークリーさんによれば、高校生であったころから、国民の健康を願い、地震や洪水のような天災の際には国民が安全でいるかということを注意深くご覧になっていたという。

 アークリーさんとの約束が中止になった理由について、アークリーさんは、こう話していた。

「お見舞いや国民のために力になれることがあれば、いつでも駆け付けられるよう、準備をなさっていたのでしょう」

 そして何よりも、犠牲者が出たり、人びとが苦しい思いをしていたりしているときに、友人と楽しい時間を過ごすことはできない、というお気持ちだっただろう、と言葉を添えた。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

目と目を合わせて、被災者の気持ちに寄り添う両陛下=2019年12月、宮城県丸森町、代表撮影/JMPA
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