中日・中島宏之(左)とロッテ・井上晴哉(右)(写真提供・中日ドラゴンズ/千葉ロッテマリーンズ)
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 いよいよ終盤戦に差し掛かってきたプロ野球のベナントレース。優勝争い、クライマックスシリーズ(CS)進出争い、個人タイトル争いなどはもちろんだが、そろそろ来季に向けての話題も増えてくる時期である。そんな中でもファンが気になる話題の一つがベテラン選手の去就問題ではないだろうか。ここまでのプレーぶりから、苦しい立場となっている選手も少なくない(成績は8月18日終了時点)。

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 まず真っ先に名前が挙がるのが中島宏之(中日)だ。昨年限りで巨人を退団し、今シーズンから中日に移籍。代打の切り札やファーストのバックアップ要員として期待されたが、ここまで代打として15試合に出場しながらノーヒットと全く結果を残すことができていない。

 7月29日には今シーズン3度目となる登録抹消となり、調整を続けているが、二軍の成績を見ても打率は1割台と低迷しており、浮上のきっかけをつかむことができていない。推定年俸は2000万円と高くはないが、今年で42歳という年齢を考えると、相当苦しい状況であることは間違いない。残りのシーズンでかなりインパクトのある活躍を残すことができなければ、2年連続でオフには自由契約となる可能性は高いだろう。

 セ・リーグの野手でもう1人危ないのが梶谷隆幸(巨人)だ。2020年のオフにフリーエージェント(FA)でDeNAから移籍。4年総額8億円(推定)という大型契約を結んで期待されたが、怪我で一時は育成契約となるなど、十分な働きを見せることができていない。

 昨年は移籍後初めて100試合以上に出場するなど復調の兆しを見せていたが、今シーズンはここまでわずか6試合の出場で3安打という成績に終わっている。チームの外野手は若手選手も台頭してきており、年俸の高さを考えても厳しいオフを迎えることになりそうだ。

 パ・リーグではT-岡田(オリックス)の名前が挙がる。2020年は16本塁打、2021年は17本塁打を放ち復活したかに見えたが、それ以降の2年間は1本塁打、0本塁打と低迷している。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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