役だけに没頭したいと思わない
納得するまで突き詰める。そんな性格は、どんな人物にもなりきる俳優にまさにピッタリではないか。
「そうでしょうか。『俳優は不器用な方がいい』と言う人もいれば、『俳優にできて損なことはない』と言う人もいます。僕は、俳優が役を演じるにあたって、いろいろなことに挑戦するので、『なんでもできて損はないのでは?』と思います。
でも、自分を俳優というのはあまりしっくりこないんですよ。中にはすごい人がいるじゃないですか。体重を20キロ落としたと思ったら、次は20キロ増やすとか。僕はそこまで役に没頭したいと思ったことはありません。そういう意味では、周りに迷惑をかけないとか、自分が恥をかきたくないというところでやっています(笑)。もちろん、『自分にどこまでできるのか試してみたい』という気持ちもあります」
すべてを投げ出すほど、「役だけに没頭したいと思わない」のはなぜか。
妻との出会いで人生は変わった
「RENT」のほかにもう1つ、人生を大きく変えた出会いがある。妻である堀北真希さんとの出会いだ。人生は自然と変わった。
以前から結婚願望はあり、自分の生活スタイルに合う人を探していたが見つからなかった。「結婚はしないかも」と思いかけていた。そんな彼にとって、彼女は初めて「自分が変わらなければいけないと思わせてくれた人」。自分が変わることで新しい自分が見つかったのだという。
「いまは1人の人間として、生物として、たくましくなければならないと思っています。それで、たとえば仕事のために『ガリガリに痩せる』ということには全く興味がないのかもしれません。
もし、自分の体が弱っているときに、家族がピンチになったらどうする? そう思ったら、本末転倒ではないですか。人間として男として父親として夫として、たくましく、頼りになる存在でありたい。そのほうが、僕には圧倒的に大切です」