妻である堀北真希さんとの出会いで人生が変わったという山本さん(撮影/写真映像部・松永卓也、hair & make up/佐藤友勝 styiling/笠井時夢) 

役だけに没頭したいと思わない

 納得するまで突き詰める。そんな性格は、どんな人物にもなりきる俳優にまさにピッタリではないか。

「そうでしょうか。『俳優は不器用な方がいい』と言う人もいれば、『俳優にできて損なことはない』と言う人もいます。僕は、俳優が役を演じるにあたって、いろいろなことに挑戦するので、『なんでもできて損はないのでは?』と思います。

 でも、自分を俳優というのはあまりしっくりこないんですよ。中にはすごい人がいるじゃないですか。体重を20キロ落としたと思ったら、次は20キロ増やすとか。僕はそこまで役に没頭したいと思ったことはありません。そういう意味では、周りに迷惑をかけないとか、自分が恥をかきたくないというところでやっています(笑)。もちろん、『自分にどこまでできるのか試してみたい』という気持ちもあります」

 すべてを投げ出すほど、「役だけに没頭したいと思わない」のはなぜか。

妻との出会いで人生は変わった

「RENT」のほかにもう1つ、人生を大きく変えた出会いがある。妻である堀北真希さんとの出会いで、人生は自然と変わった。

 以前から結婚願望はあり、自分の生活スタイルに合う人を探していたが見つからなかった。「結婚はしないかも」と思いかけていた。そんな彼にとって、彼女は初めて「自分が変わらなければいけないと思わせてくれた人」。自分が変わることで新しい自分が見つかったのだという。

「いまは1人の人間として、生物として、たくましくなければならないと思っています。それで、たとえば仕事のために『ガリガリに痩せる』ということには全く興味がないのかもしれません。

もし、自分の体が弱っているときに、家族がピンチになったらどうする? そう思ったら、本末転倒ではないですか。人間として男として父親として夫として、たくましく、頼りになる存在でありたい。そのほうが、僕には圧倒的に大切です」

次のページ
人生の喜びは家族の中にある