判断基準は「誇りを持って家に帰れるか」
家族があって仕事がある――。山本はそう断言する。仕事の判断基準も、「自分が誇りを持って家に帰れるかどうか」になった。
「もちろん、人として駄目だろう、というラインは絶対に譲りません。でも、100歩譲っても大丈夫か、みたいなことはある。そんな時に考えるのは、家族のもとへ自分が誇りを持って帰れるか、ということ。今日は思ってもいないことをやっちゃったな、と家で反省するよりは、たとえ仕事がひとつ減っても、自分が思ったことを堂々と伝えるほうが、僕はいいと思っています」
家族と一緒に晩ごはんを食べられること
人生の喜びを、家族のなかに感じる。
「仕事場ももちろん楽しいけれど、力は抜けているようで抜けていない。集中していたり、人を傷つけないように気を配ったり、困っている人はいないかと目配りしたり。すごく力が入っています。
でも、家では、自分が本当にリラックスしていると感じられる。人生の喜びは、晩ごはんを家族と一緒に、健やかに食べられること。それがやっぱり一番です」
そう真っすぐに語った。俳優である山本耕史を、人間・山本耕史が支えている。人間として、自らが愛を持って生きている。それこそが、彼の芯が強い理由に違いない。
(構成・ライター・坂口さゆり)