小泉進次郎元環境相=2024年6月、首相官邸
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 岸田文雄首相が9月に予定されている自民党総裁選への不出馬を表明したことで、総裁選候補の動きが慌ただしくなりそうだ。ベテラン、若手が入り乱れての混戦模様だが、ここで小泉進次郎・元環境相の名前が大きく取りざたされている。果たして、どんな争いになるのか──。

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 岸田首相は14日の記者会見で、「私は来たる総裁選には出馬いたしません」「お盆が明ければいよいよ秋の総裁選に向けた動きが本格化することになります」と語り、総裁選の“号砲”を想起させた。

 ある永田町関係者がこう語る。

「岸田氏は決戦投票で、相手が石破(茂)さんなら国会議員票の多さで勝てると踏んでいたのが、本命に小泉(進次郎)さんが出てきて断念したんじゃないか。若手に負ける姿というのはかっこ悪いし、それなら自分から下りたほうがまだいいからね」

菅氏が引く“カード”はどれ?

 総裁選は、党員票と国会議員票の合計で決まり、過半数を獲得したら当選。どの候補者も過半数に届かない場合は上位2人で決戦投票を行う。決戦投票では、国会議員1人1票と、都道府県連に1票ずつが割り振られる。

 その総裁選に過去4度挑戦した元防衛相の石破氏は14日、台湾で記者団に対し、20人の推薦人を確保できれば出馬すると表明した。

「石破さんにとっては最後のチャンスになるでしょうが、20人の国会議員の推薦人を集められるかどうか。仮に確保できたとしても、過去のように地方の党員票を集められるかどうか。決戦投票で国会議員票を取れないという悩みは、いまだに引きずっています」(同)

 鍵を握るのは菅義偉前首相という。

「菅さんは4枚の首相候補のカードを持っているんですよ。それは石破さん、(小泉)進次郎さん、加藤(勝信・元官房長官)さん、河野(太郎・デジタル相)さんなんです。4枚のカードのうち、まず石破さんがクローズアップされ、一時期、菅さんが推すのではないかと見られていました。もし裏金事件が起きていなければ加藤さんのカードを引いていたでしょう。加藤さんは菅政権時代の官房長官ですし。だけどここにきて、(小泉)進次郎さんのカードを引くのではないかと見られるようになりました」(菅氏に近い関係者)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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菅氏とHKTが動けば進次郎氏の流れか