小泉氏の国会議員の支持層は幅広い。今年6月に小泉氏は、菅氏や「HKT」(萩生田光一前政調会長、加藤氏、武田良太元総務相)と、東京都港区の日本料理店で総裁選についての意見交換をしたという。

「つまり、進次郎さんが出馬すれば、菅さんとHKTが動くことも考えられます。武田さんは旧二階派、萩生田さんは旧安倍派、加藤さんは旧茂木派のそれぞれ幹部です。とりわけ、森(喜朗元首相)さんが進次郎さんのことを買っているんです」(同)

 7月には森氏、小泉純一郎元首相、中川秀直元官房長官、ジャーナリストの田原総一朗氏らが会食し、総裁選について森氏らが「進次郎がいい」と小泉氏に言ったところ、小泉氏は「本人がやると言ったら反対はしない」などと答えたと報道された。

「森さんは4、5年前、進次郎さんを清和研(安倍派)に入れるように動いたことがあるんです。それだけ進次郎さんのことを評価している。ところが、進次郎さんは断った。結果的に清和研に入らなくて良かった。もし、入っていたら裏金事件に巻き込まれ、今ごろ、どうなっていたことか」(小泉純一郎氏の知人)

「コバホーク」はいい“タマ”

  仮に、小泉進次郎氏が総裁選に出馬した場合、“対抗馬”は誰になるのか。

「もし、小泉(進次郎)政権が誕生したら、貢献した菅氏が副総裁になる可能性がある。そうなると麻生さんが副総裁からはずされて、菅さんの影響力が強まるだろうから麻生さんも必死に探していると思う。だれを推すか決まっていない状態」(同)

 党内では唯一、麻生派だけが派閥として残っており、同派の河野氏を推すことは考えられる。ただ、派閥幹部の甘利明前幹事長が小林鷹之前経済安全保障相(旧二階派)を推しているという。

「甘利さんが『コバホーク』(小林氏)を経済安保相にしたようなものです。もともと経済安保の分野は甘利さんが中心に動いていて、コバホークが加わった。コバホークはいい“タマ”です。だけど、まず勝てない。永田町では知られているけれど、全国的には知名度がないから地方の党員票が獲れないでしょう」(政界関係者)

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与野党とも、党の代表受難の時代