有吉弘行
この記事の写真をすべて見る

 地上波のレギュラー番組は全局にまたがり11本もあり、すべて自身の名前が番組名に入っているほどの人気を獲得している有吉弘行(50)。フワちゃんの“暴言騒動”でも「有吉が公開説教してみそぎを済ませるのでは」と注目されるなど、芸能界で随一の影響力を持つようになった。それゆえ、これまでは発言が批判されることはほとんどなかったが、ここ最近は少し風向きが変わったように見える。

【写真】やっぱりキレイ…妻の夏目三久さんはこちら

 たとえば、6月29日放送の「ロンドンハーツ女性芸能人スポーツテスト2024」(テレビ朝日系)でのこと。有吉が田曜子を「ミスれミスれ」と野次り続け、熊田が涙目で怒りをあらわにするという展開がSNS上で物議をかもし、「いくらなんでもやりすぎでは?」というコメントが殺到したのは記憶に新しい。これについて、テレビ情報誌の編集者はこう振り返る。

「『ロンハー』の一件は、昔のノリを知らない視聴者が過剰に反応しただけに思えました。かつて有吉と熊田はこの番組でもっとバッチバチにやりあっており、いわば“セルフパロディー”なんです。『昔のロンハーを思い出した』という反応もあったのですが、そうした文脈を知らないビギナーが多かったのかもしれません。ただ熊田さんも少しリアクションが迫真すぎましたし、最近の有吉さんからのイメージからすると、あれはあまりにも攻撃的だったとは思いますが……」

 特に若い世代にとっては、有吉は「いつもニコニコ笑っている大御所MC」というイメージが強いのかもしれない。最近は毒づくことも少なくなったので、たまに見せる悪ノリ全開の姿がクローズアップされると物議を醸すようだ。

「『ロンハー』直後にも、自身のラジオ番組で『(芸能人の)年齢を公にする番組は下品』『自分は50歳になったけど公にしてほしくない』という趣旨の持論を展開し、SNSなどで批判されていました。悪口のようなあだ名をつける芸で人気になったがゆえに、視聴者から『お前のほうが下品だろ』と突っ込まれていました。さらに最近も“スマホいじりNG”の飲食店の存在について『絶対、行きたくないよ』とラジオで話していたのですが、こちらも賛否が渦巻き、店側を擁護する人々から攻撃されていました。以前の有吉なら、問題にならなかったと思いますが、今や結婚して子どもも生まれ、紅白歌合戦では司会も務めた。安定した大御所となると、何事にも健全さや中立性が求められてしまうのが世の常。それを少しでも踏み外すと、炎上してしまいます。『有吉だから何を言っても許される』という神通力は通用しなくなっている感じはします」(同)

著者プロフィールを見る
藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

藤原三星の記事一覧はこちら
次のページ
毒を吐けるのはラジオだけ