結婚など私生活でも変化が
とはいえ、有吉の超安定期は揺るぎそうにない。バラエティー界のど真ん中に君臨し続け、レギュラー番組を多数抱えているにもかかわらず、BS朝日で10月から園芸番組をスタートさせるなど、依然として衰え知らずだ。放送作家は言う。
「再ブレークのきっかけとなった毒舌が、冠番組やCMなどギャラの大きい仕事をこなすようになるに従って少なくなるのは当然のこと。そのなかで唯一、有吉さんが無防備に毒を吐けるのはラジオだけなんです。先日も占い番組について、ほぼ実名を出しながら『インチキだ』とディスり続け、ゲストに来ていた島田秀平を閉口させていましたが、あれこそが有吉さんの真骨頂。今、テレビでそんな毒を吐けるわけもない。バランス感覚に秀でた人なので、どこまでやれば炎上するかなど誰よりもわかっていると思います。熊田さんとの一件やラジオでの発言も、いわゆる『プロレス』であり、真に受けた人があれだけ存在したということは、芸人としては逆に評価されるべき行動でしょう」
芸能ジャーナリストの平田昇二氏は有吉についてこう述べる。
「有吉さんといえば、おととしにはNHKとすべての民放キー局で帯番組を“制覇”する偉業を達成して話題になりました。近年は、人気番組『有吉の壁』のように共演する若手芸人たちを仕切り、その持ち味を発揮させる役回りを演じるなど、自身が前面に出るというよりは周りを生かすスタンスでその才能を発揮しています。このあたりはリスペクトする内村光良さんの影響もあるのかもしれません。最近では、たまに出る過激な発言が一部から批判を浴びるケースもありますが、ラジオ番組での過激発言はコアなファンや“ゲスナー”にとっては、ある意味でお約束でした。その発言だけを切り取ったネットニュースなどで知った人たちが眉をひそめているというのが実態でしょう。紅白の司会という大役を務めたことや結婚などの私生活の変化もあり、これまで以上に世間の注目度が高まっていることも、こうした批判が起こる要因なのかもしれません」
世間のパブリックイメージは多少変化したとしても、「有吉の時代」はしばらく続きそうだ。
(藤原三星)