竹村幸さん

 ただ、現役を引退してスイミングスクールのコーチの仕事を始めると、今度は生理痛や生理不順に悩むようになりました。コーチって、長いと8時間くらいプールにつかりっぱなしなんですね。選手より長い時間水中にいるのに、自分は泳がないから体がすごく冷えちゃって、生理が止まったり、生理痛もどんどんひどくなって高校生の時のように失神したり……。ウエットスーツを着る、毎日お風呂に入る、遠赤外線の腹巻きをつけるなど、必死で冷え対策をしていました。

試合結果を「生理のせい」にしない

――それだけ生理に悩まされると、女性であることを呪いたい気持ちになりませんか。

 男子をうらやましく思う気持ちはありました。遠征に行く時のスーツケースは中身の4分の1が生理用品で憂鬱(ゆううつ)になったし、なぜか試合と生理がかぶることが多くて苦労しました。生理で骨盤がゆるくなったせいでぎっくり腰になって、インカレに出場できなくなったこともありましたし。

 でも、たとえ試合で結果が出なくても、それを「生理のせい」と思ったことはありません。スポーツって、自分を知ることで強くなるもの。生理も自分の体のことなので、どうコントロールするかをふくめ実力です。女性アスリートの場合、気をつけるべき要素が一つ増えるだけで、自分を知るために努力するのは男性も同じだと思います。

 これまで、さまざまなツールを試しながら生理と向き合ってきました。20代前半のアメリカ合宿で、当時日本にはまだなかった経血カップを使いはじめてからは、経血モレがだいぶ改善しました。最近だと、吸水ショーツも画期的ですね。その二つを併用すれば、ナプキンを使わなくても全然漏れないし、どちらも洗って繰り返し使えるので荷物も減ります。

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「生理をオープンに」の次の課題は?