竹村幸さん(以下、写真はすべて本人提供)

――チームメートやコーチなど、周囲の男性は生理の問題に理解を寄せてくれましたか。

 男子選手はけっこう気を使ってくれましたね。プール後のミーティングに水着で出たくなくて、「着替えさせてください」って言うと、なんとなく察して何も言わずに待ってくれたり。

 コーチは、私の場合ほぼ男性でしたが、対応は人それぞれでした。「このメニューだったらできる?」などと一緒に悩んでくれる人もいた一方で、あるコーチには「無理しないでね」とだけ言われました。その時、私は、「生理のことは分からないから自分で考えて」と突き放されたように感じてしまって。本当は、生理中でも練習を続けられるようディスカッションがしたかったのに、あの一言は優しいようで優しくないなと。

 でも他の子の話を聞く限り、女性コーチにも理解がない人はいるようです。ご自身に生理痛がないと、「病気じゃないから」とあっさり切り捨ててしまうようで、女性同士なのに分かってもらえないほうがつらいような気もします。

自殺したくなるほど追い詰められる

――生理痛や経血モレ以外にも、生理に関するトラブルはありましたか。

 20代中盤になると、生理痛よりもPMS(月経前症候群)による気分の落ち込みに苦しみました。特に試合前は、ただでさえ負けたら自分には価値がないと思うほどのプレッシャーを抱えているのに、さらにPMSによる不安に襲われて、自殺したくなるほど追い詰められます。

 でも生理が終わると、普段の前向きな自分に戻るんです。ある時それを友だちに話したら、「普通じゃないよ!」と驚かれて……。みんなも同じつらさを抱えているものだと思っていたんですけど、友人の言葉を機に婦人科を受診してみました。その結果、ピルは吐いたり太ったりと副作用が強くて諦めたんですけど、「ジエノゲスト」というホルモン剤がすごく体に合って、ようやくPMSから解放されました。

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引退した後、またも失神