「生理について話せますか?」という問いかけに、日本人の3分の1以上が「恥ずかしい」と答える現状があるといいます。品川女子学院(東京都品川区)の生徒による有志団体「CLAIR.(クレア)」は、生理をもっとオープンに語れる社会を目指して、学校や企業に向けてさまざまな講座を行っています。今年3月、東海大学付属高輪台高等学校・中等部(東京都港区・共学校)で開かれた講義をレポートします。
【写真】品川女子学院のCLAIR.による「生理講座」の様子はこちら(全6枚)メンバー自身の体験や困りごとも踏まえて伝える
「みなさんこんにちは、クレアです!」
メンバー3人による元気なあいさつと自己紹介で講義がスタートしました。クレアは品川女子学院の起業体験プログラムをきっかけに、2021年にスタートした有志による活動団体で、中学1年生から高校2年生まで47人のメンバーで活動しています(25年3月末時点)。生理について多くの人に理解してもらい、よりよい社会をつくりたいという思いから、自分自身の生理に関する体験や困りごとも交えながら、積極的に発信しています。
今回の講座は、クレア協力による書籍『女子中高生が考える 男子にも知ってほしい生理の話』(Gakken)の刊行を記念し、東京都港区にある東海大学付属高輪台高等学校・中等部で開催、高校生の男子・女子生徒約35人が参加しました。

生理とは何? 授業スタイルで歴史的背景を説明
最初に行われた「生理についての講義」では、クレアのメンバーたちが生理の歴史について、スライドを使いながら解説。生理がタブー視されるようになった歴史的背景について、「血は不浄なもの」とされていた平安時代までさかのぼり、時代によって進化する生理用品についても説明します。
また、今の社会で問題となっている「生理の貧困」や「労働損失」についても伝えます。例えば、高校生以上の学生では、5人に1人が経済的な理由で、生理用品を満足に買えないという報告があるといいます。さらに4割以上の女性が「生理(痛みや出血)によって、何かをあきらめたことがある」といい、仕事や学業に大きな影響が出ていることがわかります。
「生理による労働損失は4911億円(経産省)」というデータもあり、「生理の意識を高めると、経済的にもよい効果がある」と説得力のあるプレゼンが続きます。
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