必要があればメディアの家宅捜索も
――生安部長の告発とは別のことになるが、今回の問題は、メディアに警察の家宅捜索が入ったことがもうひとつの問題になっている。取材源を特定するために強制捜査に入ったのであれば、われわれ報道側は報道倫理である取材源秘匿の侵害と受けとめざるを得ない
捜査と報道それぞれの立場がぶつかるところだが、犯罪捜査を預かる警察としては必要な捜査はやらざるを得ないということだ。これについては最高裁の判例もある。報道の自由は尊重されなければならないが、警察には公共の福祉に寄与する重大な任務がある。必要なときにはちゅうちょしないのが警察の立場だ。
――メディアだからという区別はないと
そうではない。報道機関に対する捜査は慎重であるべきだとは考える。決められたルールがあるわけではないが、実際の事件捜査では私も経験があるが、報道機関からの証拠物の押収が必要な時、通常の家宅捜索とはせずに、証拠品の任意提出という形で協力を求めることがある。今回のケースで家宅捜索が行われたのは、その必要があったからと推察する。
(聞き手/AERA dot.編集委員・夏原一郎)