新庄監督
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 8月も中盤。お盆休みの方も多いかと思います。最近「AERA dot.」で掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は7月10日に「AERA dot.」で掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

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 春先の主役だった日本ハムが完全に勢いを失っている。

 新庄剛志監督の就任3年目。2年連続最下位からの巻き返しを誓った今季はスタートから投打ががっちりかみ合い、5月30日終了時点では最大の貯金9、ソフトバンクに次ぐ2位につけていた。

 5月18日から受け付けが始まったオールスターのファン投票では、この躍進に加え、エスコンフィールド北海道での球宴開催ということもあって日本ハムの選手に票が集まった。万波中正がセ・パ両リーグトップとなる131万4833票を集めたほか、山崎福也、河野竜生、田中正義、田宮裕涼、郡司裕也、アリエル・マルティネス、水野達稀、上川畑大悟と、12球団最多の9選手が選出された。

 だが、チームは下降線に入り、抜け出せなくなっている。5月31日から後は8勝19敗3分と大きく負け越して借金2、順位は5位に転落した(7月9日時点)。9日の西武戦では延長戦の末に3-1で制して連敗を4で止めたが、最近10試合で2勝7敗1分と苦しい戦いが続いている。

 日本ハムにいったい何が起きているのだろうか。

 スポーツ紙デスクは「結果論になってしまいますが……」と前置きした上で、6月12日の中日戦から、ベンチに入っていた建山義紀投手コーチをブルペン担当に、ブルペン担当の武田久投手コーチをベンチにと配置転換したことを一因に挙げる。

「配置転換した当時、救援陣が不安定だったことは事実です。新庄監督は自分の野球観を伝えるためと報道陣に説明しましたが、下位に低迷している状況ではないチームがシーズン途中に投手コーチの配置転換をするのは珍しい。新庄監督と建山投手コーチの間で、投手の起用法を巡り意見が食い違った場面があったのかもしれません。そうだとしても、他球団にもあることで特に問題ではありません。懸念点としては、建山コーチがブルペンに行ったことで、新庄監督が投手起用で強い権限を持つことになったことです。昨年までの采配を見る限り、継投策に関して決してうまいとは感じない。ベンチワークがうまく機能していないことが気になりますね」

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「新庄監督にしかできない」驚きの采配