また、他球団のスコアラーは新庄采配の「ある変化」を指摘する。

「今年はマルティネスを開幕から4番でずっと起用してきた。不振の時期も4番だけは動かさなかったのですが、6月中旬以降にレイエスや清宮幸太郎を4番で起用するようになり、7月に入るとマルティネスがベンチを温める機会が増えている。コンディションの問題があるのかもしれませんが、正直ありがたいです。マルティネスは試合のポイントになる殊勲打を打っていましたし、存在自体が厄介でしたから」

 心配なニュースは続く。稲葉篤紀2軍監督が体調不良で休養し、清水雅治ファーム総合コーチが監督代行を務めることが6月30日に発表された。

成績次第で監督が身を引く可能性

 借金生活となり、新庄監督に近い関係者は「今年の結果次第では、監督は潔く身を引く可能性がゼロではない」と指摘する。

「地位にしがみつくタイプではないし、今年も5位以下に沈むようだったら、監督続投をオファーされても断ることが考えられます。派手なキャラクターで知られますが、誰よりも責任感が強く覚悟を持って戦っていますから。1日も早く借金を完済してほしいですね。勝負はここからです」

 シーズンを完走した選手が少ないことはウィークポイントだが、この壁を乗り越えることでさらにたくましくなる。首位ソフトバンクから14ゲーム差と背中が見えない状況だが、今後の巻き返し次第でクライマックスシリーズ進出は十分に可能だ。もう一度、再浮上してパ・リーグの主役になれるだろうか。

(今川秀悟)