3度目のトリプルスリーを達成し、花束を受け取った山田哲人(2018年10月)

東京五輪ではMVPを受賞

 16年も打率.304、38本塁打、102打点で2度目のトリプルスリーを達成。17年はコンディション不良もあって成績を落としたが、18年は打率.315、34本塁打、33盗塁で自身3度目のトリプルスリーを達成した。19年は打率.271ながら、35本塁打、98打点、33盗塁をマークしている。

 山田は国際舞台にも強く、15年から侍ジャパンの常連になっている。21年の東京五輪では金メダルに貢献。最多の7打点で野球競技のMVPにも選ばれた。昨年のWBCでは世界一に貢献している。

 スポーツ紙デスクは「大谷翔平が超人的な活躍を見せていますが、山田の野球センスもずば抜けています。体が決して大きくないのに打球を遠くに飛ばす技術、盗塁の技術は真似できないものがあります。こんな選手は2度と出てこないと感じましたし、通算2000安打は通過点で、どんな成績を残すんだろうとワクワクしました」と振り返る。

 対戦したセ・リーグの投手はこう語る。

「不思議な選手でしたね。打席に入った時に威圧感はないんですけど、どこに投げてもはじき返される。長打は打たれたくないけど、単打でも盗塁を仕掛けてくるので気が抜けない。足が速いだけでなく、スタートを切るタイミングが抜群によかった。警戒しても走られるので、捕手が対策に頭を悩ませていたのを覚えています。日本ハム時代の大谷と対戦したときも凄いなと感じましたが、天才と言えば思い浮かぶのは山田ですね。打てるし、走れるし、守備も巧い。全盛期はメジャーで通用したと思いますよ」

視力0.7以下でもコンタクトを着けず

 ヤクルトを過去に取材したスポーツ紙記者は、山田の素顔を聞かれてこう振り返る。

「スーパースターとかではなく、アニメと漫画が好きな20代のお兄ちゃんって感じでした。着飾らないしマイペースな性格で。目立つことを好まなかった。練習はしっかりしていたけど、ストイックというわけでもない。驚いたのはトリプルスリーを達成した当時、視力が左右で0.7以下だったにもかかわらず、コンタクトレンズをしていなかったことです。他の選手は『ボールがぼやけて見えるのにありえないでしょ』と驚いていました。他の選手は真似のできない打ち方をしていましたし、異次元の感覚を持った選手でしたね」

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