占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

*  *  *

Q:しいたけ.さんこんにちは。特にすごく悩んでいるわけじゃないのですが、なんだか恋愛も仕事も停滞期に入っているような気がします。あまりパッとしないというか、日常の中でなかなか楽しいと思えることがありません。健康だし、それだけで幸せなんだろうな、とは、思いたいのですが。こんなのはぜいたくな悩みなんでしょうか。(女性/31歳/てんびん座)

A:今、こういう人がすごく多い気がしています。

 今までは、何か欲しいもののために頑張るとか、休日になったらどこに行きたいとか、あのお店に行って何を食べたいとか、そういうちょっとした「意欲」って自然と湧いていました。その意欲を出す元気もなくなって、何をしていいかわからないみたいな状態。結構きついですよね。

 これは占い師としての見解ですが、2024年は、みんながゼロにたどり着いて1回リセットしている状態です。今までの疲れが一挙に押し寄せてきて、一旦全員の意欲がゼロになったと言ってもいいかもしれません。

 でも2024年中に第一歩は必ずみんな踏み出すことになります。新しく自分でやってみたいことや昔封印したことをもう一度蘇らせるために、反撃のための準備も整えていく。そういう反撃の一歩の年だからこそ、処理しなければいけないことも多すぎて、つらい。

 そういうときに、自分自身にちょっと聞いてみてほしいことがあります。「何年後になっても構わないから、やってみたいことはありますか、行ってみたいところはありますか」という問いかけです。

 僕自身も自分に聞いてみたんですが、何年後になってもいいからもう1回ハワイに行きたいなと思いました。ビーチサンダルを現地で買って、誰の目も気にしないで海を楽しんで。あの場所でしか味わえない開放感がハワイにはあったから、もう1回行けたら嬉しいなって。そう思えた時から、日常のちょっとした意欲がなんとなく復活しだしました。あの店のカレーを食べたいなとか、あの人に会いたいなとか。そのために連絡して動くという次のステップに行くまではまだ体力がないけど、でもそれでいいんです。

 イメージとしては、大本にある、倒れてしまった「もう1回ハワイに行ってみたい」という木から、小さいけど芽を出すことができたら、周りからもいろんな芽が出だしたような感じ。

 小さな夢からコツコツと叶えていくと、いつの間にか停滞期を抜けているはずです。

 でも実は停滞期も結構大事で、停滞期に入るまで頑張ってきたということ。まず「ここまでお疲れ様」と言ってあげてほしいし、例えばトイレに行くタイミングとかで、自分自身に「大丈夫? 疲れてない?」って声をかけてあげてください。誰かから心配してもらえるって、すごくパワーが湧いてくる行為だから、それを自分にやってあげてほしいです。

AERA 2024年8月5日号

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しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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