では、農中が大量の米国債を売却し始めたら何が起こるのでしょうか? 海外メディアのZerohedgeでは、3月末時点で、農中はおよそ23兆円(約1500億ドル)の外債を保有しており、これは運用資産総額56兆円の42%に相当すると報告しています。そして、日本全体の預金取扱機関が保有する外国債券の残高は3月末時点で117兆円であり、農中は、その総額の20%を単独で保有しているとも指摘しています。
もしも、日本国内の全外債の20%を保有する農中が、それだけ巨額の米国債を含む外国債券を売却すれば、米国債やそのほかの外債の価格下落を招きかねません。となると、外債を保有している他の国内金融機関も、これはまずいと考えて売却を始めるという連鎖が起こる可能性も……。米国債の価格下落にともなう、米金利上昇となると、世界のお金にも影響、そして金融市場への大きなマイナスの影響も考えられます。農中の動向、そして日本の国内金融機関の動向に注目しておきたいです。杞憂に終わればそれでいいのですが、もしもの話として、頭の片隅においておいても損はないと思います。