ヤクルトの左腕2人に厳しい見方
最下位に低迷するヤクルトの両左腕もピリッとしない。守護神の田口麗斗は開幕直後にコンデイション不良で1カ月半離脱。5月17日に1軍昇格したが、7月9日の阪神戦、13日の広島戦と2試合連続救援失敗でサヨナラ負けを喫した。18試合登板で1勝3敗7セーブ3ホールド、防御率2.45。昨オフに契約更改の席でメジャー挑戦の意思を持っていることを語ったが、日米でプレーしたプロ野球OBは厳しい見方を示す。
「良い投手であることは間違いないが、日本向きの投手かなと。制球が安定していてスライダーのキレは鋭いが、直球の球速が140キロ前後ではメジャーでは厳しい。チェンジアップの精度が高いとは言えず、変化球がスライダー頼みの点も気になります」
田口と同様に先発左腕の高橋奎二も将来的なメジャー挑戦の意向を表明しているが、なかなか一本立ちできない。直球、スライダー、チェンジアップ、カットボール、カーブと球種ごとに見ると質の高い球を持っているが、制球が定まらずに不安定な投球が続いている。今季は11試合登板で2勝5敗1ホールド、防御率3.47。
スポーツ紙デスクは「2ケタ勝利をクリアできる力を持っているが、修正能力が低い。好投する時もありますが、状態が悪い時はどうにもならない。投げてみなければ分からないというのが現状の高橋奎です。先発陣がコマ不足のヤクルトだからチャンスを与えられているが、他球団だったらファーム暮らしでしょう。メジャーという大きな目標を持つことはいいですが、ヤクルトで結果を出さないと」と奮起を促す。
ペナントレースはこれから佳境に入る。高橋光、佐々木朗、田口、高橋奎……、チームの柱として期待される投手たちは輝きを放てるか。
(今川秀悟)