天皇陛下が学生時代に留学されたカレッジの門へ向かって、歩道を進まれる先に、その見物集団はいました。その中のひとり(日本人女性)が、突如「へいかー! テムズとともにー!」と叫んだのです。その声にテレビカメラが反応し、声の主である女性の姿を捉えました。案の定、彼女は昨年新装復刊された天皇陛下による著書『テムズとともに 英国の二年間』を握りしめていました。
それはもう「私、ファンなんですぅ! だから陛下の本、買ったんですぅ!」という、まさに「女子供」の鑑とも言える佇まい。
それだけでは終わりませんでした。なんとその女性は、手に持った本を差し出して、「へいかー! サインくださーい! キャハハ」と宣ったではありませんか。これはもはや「微笑ましいワンシーン」では片付けられないレベルの醜態です。もし私が彼女の親だったら……と考えると、本気でゾッとします。
特に「サインくださーい!」の後に付く「キャハハ」。ここに「女子供」の真髄が詰まっています。「よく分かんないけど、とりあえず可愛く笑っとけば許してもらえるだろう。守ってもらえるだろう」という精神。
無論、両陛下はにこやかにその場を過ぎ去って行かれたわけですが、それでもまだ後方からは「へいかー」「まさこさまー」「きれー! キャハハー」といった間抜けた声がオックスフォードの学生街に響き渡っていました。
この数週間で改めてよく解りました。「女子供」のアピールは、己の無邪気さ・無知・無教養・無礼に対する免罪符になることを、多くの「女子供」たちは心得ているのだと。そしてそれにほだされる男社会がある限り、「女子供」は処世術として有効であり続ける。
だけど、それを見下す言動は許されない時代。「女子供」最強じゃないですか。