そして、今季はメルセデス・ランクこそ3位だが、高額賞金大会のアース・モンダミンカップに勝ったことで、ここまで1億2,126万円を稼ぎ出し賞金ランクではトップ(7月7日現在)。メルセデス・ランク、賞金ランクとも初の女王獲りの可能性は高いだろう。
では小祝の強さはどこにあるのだろうか。
まずは小祝が持つそのタフさにある。小祝は、プロテスト合格翌年の2018年開幕戦から2022年のリゾートトラスト レディスまで“皆勤”、つまり全試合に出場しており、歴代4位の国内142試合連続出場を記録。ここで一旦、記録は途切れたが、これは全米女子オープンに出場したことが原因で、その後も今日にいたるまで日米で“皆勤”を続けている状態なのだ。
その小祝は、アース・モンダミンカップ優勝後に、全英女子オープン(8月22日~)に出場するため前週のCATレディース(8月16日~)を欠場することを明かした。いよいよツアーを“お休み”することになるが、試合に出続けるだけではなく好成績を挙げ続けていることは、“鉄人”以上の存在と言える。
またショットに定評があることも小祝のプレースタイルの特徴だ。今季はパーオン率が5位なら平均飛距離ランクは9位。トータルドライビング(ドライビングディスタンス順位とフェアウェイキープ率順位を合算した値)とパーオン率を合計したボールストライキングではトップだ。
ちなみにこのボールストライキングにおける順位は、ルーキーシーズンが4位で、今季を除いたそれ以外のシーズンも10位前後と安定しており、小祝はプロになってから一貫して、ツアーで「飛んで曲がらない」を実践している。
このスタッツを生み出しているのが小祝のスムーズなスイングだ。手首の動きをあまり使わず“タメ”が小さいのが特徴。こうするとスイングは安定して再現性は高くなるが、飛ばしにくくなるため女子プロの中では珍しいタイプと言える。しかし小祝はもともと飛距離が出るタイプ。飛ばすスイングをしなくても、曲げない動きをすることで、飛んで曲がらないショットを実現できるというわけだ。