佐々木が今オフにポスティングシステムでの移籍を望んだ場合に、ロッテ側はどのような対応をするか。
「当然認めないでしょう。来年以降はエースとして活躍してもらわなければ困る投手ですから。気になるのは佐々木の動きです。どうしてもメジャーに挑戦したいと、ロッテとの契約に合意しない場合はどうするか。日本球界とのケンカ別れは最も避けたい事態です」(民放テレビ関係者)
現行ルールでは野茂英雄と同じ道は無理
メジャーで活躍した日本人選手のパイオニア・野茂英雄はプロ5年目の1994年オフに近鉄と交渉が決裂し、「任意引退選手」に。日本の他球団に移籍できないが、米国とは契約協定を当時結んでいなかったため、ドジャースとマイナー契約を結んだ。驚きの行動に批判の声が多かったが、「トルネード投法」で旋風を巻き起こす。ノーヒットノーランを2度達成するなどメジャーで123勝、日米通算では201勝をマーク。2014年に日本の野球殿堂入りも果たした。
当時野茂を取材したスポーツ紙記者は振り返る。
「近鉄と決別する道を歩みましたが、球団フロントの対応にも問題があった。選手を大事に扱わないので、彼が悪者になるのを覚悟で声を上げたんです。葛藤はあったと思います。入団当時から球団が大好きでしたし、チームメートと充実した時間を過ごしていましたから。同じメジャー挑戦でも佐々木を同格には扱えません。野茂は新人から4年連続最多勝、最多奪三振のタイトルを獲得して日本球界を代表するエースだった。投球回数も200イニングを4年連続クリアしていましたしね。そもそも、現行のルールだと任意引退選手は、メジャーの他球団に移籍できなくなった。野茂と同じ道を選ぶのは無理です。残る選択肢は自由契約ですが、ロッテが同意するとは思えない。何のメリットもないですから」
佐々木も今の状況は本意ではないだろう。日本のマウンド上で、もう一度輝く姿を見たい。
(今川秀悟)