しかし5月31日に一軍復帰を果たすと、守備位置こそ本職の捕手ではないが、勝負強い打撃を見せている。7月に入ってからは特に好調でここまで6試合で打率.474、1本塁打、4打点と調子を上げている。
「クリーンアップも任せられる打てる捕手の不在は巨人にとって大きな痛手だったはず。一軍復帰後は主に一塁手としての出場だが打力で存在感を発揮、5番に定着して欠かせない選手となっている」(在京球団スコアラー)
逆に阿部監督就任時から期待に応えられない選手は出場機会を減らしている。現在二軍でプレーしている秋広優人とオコエ瑠偉もそれに当てはまるだろう。昨年ブレイクした秋広もここまで一軍では17試合の出場にとどまっている。二軍で突出した成績を収めない限り起用してもらえないような環境となっている。
「秋広は阿部監督から何かと厳しい言葉をかけられているが、期待の裏返しなのだろう。またオコエの潜在能力の高さに注目しているのもわかる。2人とも壁を打ち破って一軍に戻ってきて欲しい」(巨人関係者)
阿部監督の「可能性はあっても結果を出せなければ使わない」という姿勢にブレがない。7月6日のヤクルト戦(神宮)では好機で2打席連続三振に倒れた若手の萩尾匡也を即座に交代させた。
「チーム全体への強烈なメッセージと感じた。萩尾は出てきて欲しい若手で経験を積ませたい思いもあるだろうが、あえて厳しく接している。意思を感じられる起用法、采配だと思う」(巨人OB)
「若手だけでなくチーム全体に良い意味で緊張感を感じる。丸佳浩は練習量を増やして以前のような輝きを取り戻した。吉川尚輝も常に危機感を持って取り組んでいるように見える」(巨人関係者)
少しでも気を抜けば、怪我や故障でなくとも一軍登録を抹消される。競争が次々に生まれつつある現状は巨人にとって良い傾向だ。
「チーム方針も変わってきたようだ。かつてのように名前だけで在籍もできなくなるだろう。二軍暮らしが続いている選手は戦力外となる危険性もはらんでいる」(在京球団スコアラー)