今シーズンから巨人を指揮する阿部慎之助監督
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 今季から阿部慎之助新監督が指揮する巨人は混戦が続くセ・リーグで2位広島から1ゲーム差の首位と奮闘している(7月9日終了時点)。これから優勝争いが本格化していくが、今シーズン目立っているのが、阿部監督の“実力至上主義”の姿勢だ。

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 巨人OBも「阿部監督の選手起用は実にわかりやすい」と述べているように、グラウンドでの結果が何よりも重視されている。結果を出す選手は使い、そうでなければベンチを外すことも厭わない。チーム内には競争が生まれ、若いチームは日々の結果次第で自身の立場も大きく変わるという感じだ。

「選手にとっては息が抜けない状況となっている。結果は運による部分もあるが、そこも踏まえた上での実力主義。実績や名前にとらわれず、勝利のために時に非情な采配も行っている」(巨人OB)

「結果を出せなければ試合から外す」姿勢を徹底している。これまでチームの顔として長年“大黒柱”としてプレーしてきた坂本勇人も今季は開幕から調子が上がらず。6月26日には怪我や体調不良以外では、プロデビューした2007年以来、初めてとなる二軍降格となった。今週中にも一軍に復帰する見込みであることが報道されているが、降格については阿部監督の誰でも“例外”はないという意思の表れでもあるだろう。

「ハヤトは人気、実力ともに看板選手。ベンチにいるだけでも影響力は大きいが、思い切って二軍で調整させた。『8月、9月にいなきゃ終わるんで』という阿部監督の言葉に応えられるように調子を上げて戻ってきて欲しい」(巨人関係者)

 選手にとっては厳しい環境ではあるが、プロで生き残るハングリーさがより必要となるという意味では、選手の成長も促しているとも言えるだろう。今季は正捕手として迎えたものの、1度は「使えない」と判断され、そこから這い上がってきたのが大城卓三だ。「打てる捕手」として期待されながらも結果を残せず、開幕から約1カ月後の早期のタイミング(5月8日)で登録を抹消された。

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期待の若手に“容赦ない”姿勢も