山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
この記事の写真をすべて見る

日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は日本では聞きなじみのない「異常な猛暑のときの水分補給」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

【図】熱中症はどんな症状がでると要注意? 進行のステップはこちら

*  *  * 

 危険な暑さに、警戒が必要なほどの猛暑日が続いていますね。日本気象協会に(※1)よると、7月8日には全国150地点で猛暑日(最高気温が35℃以上の日のこと)を記録し、近畿や関東、東海地方では、なんと40℃に迫る所もあったといいます。梅雨明けがまだとは思えない暑さになりました。次第に梅雨の空が戻るため、猛烈な暑さは落ち着いていく予報ですが、この時期としては「かなりの高温」(※2)が予想されています。

 どうやら、異常な猛暑を襲っているのは日本だけではありません。ヨーロッパ、アジア、中東、北アメリカなど、世界中(※3)の人々を猛暑は襲っているのです。

 CNNの記事(※4)によると、欧州連合(EU)の気候監視サービスであるコペルニクスの最新のデータ解析の結果、地球は記録上、最も暑い4月を経験したことが判明したといいます。さらに、11カ月連続で地球では前例のない高い気温が続いたことから、「2024年は、2023年の記録をさらに更新し、観測史上、最も暖かい年となる可能性が高いだろう。」との声が、一部の科学者から上がっているといいます。

摂氏40度台の高温がが当たり前

 アメリカでも、危険な熱波がアメリカ全土を覆っており、アメリカ住民の3分の1(※5)以上に対して、猛暑注意報が発令されている状態が続いています。アメリカ国立気象局によると、沿岸部や高地を除くカリフォルニア州全域で、摂氏40℃台(※6)の高温が当たり前になりつつあるといい、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ネバダ州、アリゾナ州は、山火事の可能性に備えて警告を出しているほどです。

著者プロフィールを見る
山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

山本佳奈の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
いよいよ「Amazonプライムデー」開始!おすすめ商品やセールで得するために知っておきたいこと一挙紹介
次のページ
山火事、ハイキングで熱中症