3年生までの渡邊は、クイックネス、得点能力、パススキル、そして左打ちであることで評価が高く、寧ろ軽い体重とフィジカルの弱さからくるディフェンスをウィークポイントとされていた。しかし4年生になって、その弱点を克服し最終的にはNBAチームとの契約を勝ち取るまでに至った。

 NBA予備軍とも言われるNCAAの舞台で足りない部分を補えれば、NBAで通用するスキルを手にできることは、先人の渡邊が証明してくれている。富永にはプロになって世界最高峰を目指す方法もあるが、せっかくもう1年、ネブラスカ大で過ごせるチャンスがあるのなら、後者の選択の方が夢により近づくのではないだろうか?

 ネブラスカ大が所属するビッグ10は、インディアナ大、ミシガン大、ミシガン州立大など強豪が所属し、現地時間14日からのNCAAトーナメントには、各カンファレンスで最多となる9校を送り込むほどのハイレベルなカンファレンスだ。

 長距離砲がトレードマークの富永だが、特に今シーズンは終盤になり、ロングシュートを警戒するディフェンスの裏をかいて果敢にドライブしてレイアップする場面がよくみられるようになった。強豪カンファレンスでもう1年揉まれれば、フィジカル面も含めてさらにレベルアップし、シーズンを通して活躍することもできるはず。そうなれば、2019年にワシントン・ウィザーズに全体9位で指名された八村塁に続くドラフト指名だってきっと近づいてくるはずだ。

“和製カリー”は本家カリーと同じコートに立つ時は来るのか? 富永の去就には、今後も期待を持って注目したい。(文/田村一人)

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