ちなみに、ネブラスカ大において5試合連続で20得点以上したのは1997-1998シーズンのティロン・ルー以来の快挙。ルーといえば選手としてNBA連覇を果たし、現在はロサンゼルス・クリッパーズで指揮を執りコーチとしても定評があるが、富永はこうしたレジェンドに並び立つような存在になったことになる。

 どこからでも決められるロングシュートを得意とする富永は、かねてから、NBAのスーパースターで3ポイントシュート通算成功数歴代1位のステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)になぞらえ“和製カリー”の異名を持つ。そんな富永の活躍ぶりにカリーも反応。「Love it, Keisei!(いいぞ、啓生!)」とツイッターに投稿し、これに富永も反応するなどファンの間でも話題となったが、3ポイントの本家も注目するほどのプレーぶりだったのだ。

 そして、最も注目されるのは今後の富永の去就だろう。

 短期大学であるレンジャー・カレッジで2年過ごしネブラスカ大に編入した富永は、ここで2シーズン目が終わった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で2020-21シーズンがノーカウントとなっているため、来シーズンもプレーが可能。同大4年生を称えるシニアナイトのセレモニーに出席したことで、大学でのキャリアをここで終えるのかなど様々な憶測もあるが、本人も去就を明言していない状況になっている。

 つまり、富永はこのままチームを離れBリーグを含めたどこかのクラブとプロとして契約するか、来シーズンもネブラスカ大でプレーする可能性があるということ。富永本人の夢は、当然ながらNBAでプレーすることだ。となると、富永はこのオフにそのゴールに向けて最適な選択を迫られることになる。

 ちなみに同じレフティでNCAAディビジョン1のジョージワシントン大からドラフト外でNBA入りを果たした渡邊雄太は、4年間で10.9得点、4.5リバウンド、1.5アシストという通算のアベレージ。2年生からはスターターとなりチームの柱の一人として活躍し、4年生の時にはアトランティック10カンファレンスの最優秀守備賞に輝く活躍を見せた。

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“夢”に近づくのはどちらの道か