しかも安定的な現職に対して、露出を抑えるのは有意な戦略ではない。また演説での現職批判も、国政での選挙はともかく、自治体の代表である首長の選挙としてはいかがなものか。しかも演説では小池知事を「攻め」てはいるが、肝心の公約発表については蓮舫氏は「小池知事が発表してから」と「守り」にこだわり、同日発表となった。このちぐはぐ感がいまいち有権者に理解されていないのではないか。

 大方の結果は予想できるが、都知事選は最後の一日まで続く。都知事選は各陣営の得票数次第で、その後の政局にも影響しうる重要な選挙だ。最後の最後まで、その行方を見届けたい。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

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安積明子

安積明子

■あづみ・あきこ/兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格し、政策担当秘書として勤務。その後テレビなど出演の他、著書多数。「『新聞記者』という欺瞞|『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)などで咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を3連続受賞。近著に「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)。趣味は宝塚観劇。

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