「立候補したのは私たちだけでしたから、そのままでは役員が決まりません。そこで“顧問”は他の学年の保護者たちに『クジ引きで1人ずつ役員を出せ』って言い出したんです」(同)

 これには当然、他学年の保護者らが反発した。

「『どうして立候補した人にやらせないで、私たちから役員を出さなきゃならないのか』と詰め寄られて。すると“顧問”は『いいから、早くクジで決めて!』と逆ギレして、部屋から出て行ってしまいました」(同)

話し合いすらも拒否

 最終的にはクジ引きが行われ、他学年の保護者たちが役員を押し付けられる結果となった。

「本当は私たちが本部役員になって、入会届の整備を進めたり、『6年間に必ず一度は役員をやる』というルールをなくしたりして、時代に合ったPTAに変えていきたかった。でも、あの“顧問”がいる限りはまずムリだろうなって……」(同)

 どうにかして“顧問”をPTAから追い出せないものか。伝え聞く話では、この女性はかつて近隣の幼稚園のPTAにも口出しを続けていた。だが10年ほど前に、他の保護者らが団結してこの女性の排除に成功。以来、口を出さなくなったという。そのやり方をまねできないものか。

「私たちもどうやったのか知りたいんですが、だいぶ前のことで当時の保護者が見つかりません。それに、今回はもう他に居場所がないので、テコでも動かないと思います。最近はあきらめ気味です……」

 母親は怒りの交じった表情で肩を落とす。

 元会長らが長く居座り、不当に権力をふりかざす例は、各校のPTAの集合体であるPTA連合会、いわゆる「P連」においてさらによく聞く話だ。関東地方のある市P連では事務局長が力を持ち、全てを取り仕切っている。この人物もやはり20年近く前にPTA会長をしていた。同市内のある小学校のPTA会長の男性は、市P連に対し運営方法や活動内容の見直しを求め、数年間にわたり根気強く働きかけを続けてきたが、最近ついにあきらめたと話す。

暮らしとモノ班 for promotion
ミドル世代向け!露出しすぎないおしゃれ・機能的なレディース水着10選
次のページ