あえて「ネイル」をしていた理由
ネイルは、そもそも爪が割れてしまうのを防ぐという目的でつけていたものだった。また、化粧にも古閑さんのこだわりがあったのだという。
「私、ゴルフのときはメイクを普段と変えてるんです。やっぱり勝負事のときは、アイラインをしっかり引いて、眉毛も太くして、マスカラもばっちりしていました。強く見せたかったので。ゴルフ場に入ったら、普段の私とは違う『プロゴルファー・古閑美保』っていう別人をつくり上げたかったんです」
19歳で古閑さんがプロ入りしたとき、ゴルフ界を引っ張っていたのは30代半ばのゴルファーだったという。
「賞金ランキングのトップ10には、不動(裕理)さんを除いて、20代はほとんどいませんでした」
それから数年後、宮里藍や横峯さくら、上田桃子らが活躍を始め、女子プロゴルフ人気が高まっていく。競技者としてその渦中にいた古閑さんは、当時をこう振り返る。
「私がプロ入りしたとき、女子プロの人気はそんなに高くなかったんです。でも、2~3年してから状況が変わってきた感じがありました。私やその下の宮里、横峯、上田たちが、“絶対女王”の不動さんに挑んでいくっていう構図ができてきたんです。そこから、女子プロの人気が出てきたと感じています。大会の賞金額や試合数が増えたり、これまでの大企業とは違ったIT企業が大会の主催者になったり。テレビの視聴率も上がっていって、人気の高まりを肌で感じていました」