秋田高校(写真:同校提供)

 秋田高校(秋田市・共学)は、東大で推薦入試が始まって以来、17年度以外は毎年合格者を出している。今年は2名で4位に付けた。昨年創立150周年を迎えた歴史のある学校で、高2から普通科6クラス、理数科1クラスに編制される。今年合格した生徒は科学系の部活動で行った研究活動が評価された。進路指導部の遠藤金吾先生は「合格した生徒は、学習だけでなく行事や部活でも積極的に活動している。研究のみが評価されたと言うよりも、前向きな姿勢が総合的に判断されたのではないか」と話す。

詰め込みと先取りばかりの進学指導ではなく、公立ならではのバランスのよい学びが実践できる環境が有効ということなのかもしれない。

 推薦型入試専門の「早稲田塾」執行役員の中川敏和さんは、こう話す。

「大学入試改革によって、生徒を多面的に評価する方法として、推薦型入試が奨励されています」

 多面的に評価する──。それはつまり、筆記試験以外の能力も評価の基準であり、しっかりと磨いておく必要があるということだ。

 京大の特色入試で1位となる8人の合格者を出した開明(大阪・共学)。京大が特色入試を始めて以来、毎年合格者を輩出している。進路指導部長の重康学教頭は言う。

「明確な目標を持った生徒が特色入試にトライし、結果を出している。本校はいろいろな体験をさせており、学力と共に活動実績や意欲を重視する入試は歓迎です」

浪人生にも受験資格

 同校では、中学生が全員参加する年1回の弁論大会のほか、中3から高2までの間で2~5人程度のグループを作り、テーマを決めて行う研究活動がある。校外行事でも、近隣の海で生物を採集して標本を作ったり、歴史スポットを探訪したりと実践的な学びをふんだんに取り入れているという。

 国立大の推薦入試で注目すべきは、既卒生(浪人生)にも受験資格がある場合があることだ。

 開明の京大の特色入試合格者8人のうち、2人が既卒生。東北大にいたっては、24年度のAO入試の合格者の2割ほどを既卒生が占める。既卒生にも門戸が開かれていることを知っておいて損はないだろう。

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