ファッションも好きで、自身でブランドを立ち上げた。社長としての顔も持ち、Tシャツなどのデザインも手がける(撮影/小黒冴夏)

 バスケをやってみると楽しく、父に「バスケをやる」と告げると、父は即座に娘をスポーツショップに連れていき、バスケ用具一式を買いそろえた。学生時代にバスケ選手だった父は、家ではNBAの中継やビデオを観戦し、マイケル・ジョーダンに心酔していた。嬉々(きき)とする父を見て娘は「もうバスケから逃げられないかも」と覚悟。

 父から教えられ、小学生ですでにノールックパスやレッグスルーなどのトリッキーなパスやドリブルを覚えたという。

 運動神経や技術が急速に伸びると言われるゴールデンエイジ(9~12歳)の時期に、高度なスキルを磨いたことが後の町田を後押しした。加えて、バスケ日記を書き始め、何ができなかったのか、それはなぜか、どんな課題があるかなど、日々分析しながら文字を綴(つづ)っていると、技術や試合が俯瞰(ふかん)して見えるようになった。バスケ日記は今でも欠かさずつけている。

 その一方で身長が138センチしかなかったため、周りからは「バスケ向きではない」「通用しない」との声も届く。そのたびに、負けず嫌いの魂が一層磨かれた。

(文中敬称略)(文・吉井妙子)

※記事の続きはAERA2024年7月1日号でご覧いただけます

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