6月もまもなく終わります。最近「AERA dot.」で掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は5月10日に「AERA dot.」で掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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いまや大御所MCとなり、安定した人気を博している東野幸治(56)。現在は関西ローカルも含め7本の地上波番組にMCとして出演中。さらには「BSよしもと」でレギュラー番組が2本、ラジオの深夜番組に加え、自身のYouTubeチャンネルを2つも手がけ、うち1本は編集も担当するなど、大御所芸人とは思えないほどの稼働ぶりだ。
来年で芸歴40年になる東野だが、なぜ今、こんなにも働き続けるのだろうか。お笑い業界に詳しい放送作家はこう語る。
「東野さんはスタジオ収録だけでなく、YouTubeなどでは前のめりにロケをしていますし、実は60歳以降は地方に住みたいという気持ちがあるため、移住先を求めていろんな地方を巡る特番も定期的にやっています。芸歴的にはスタジオでどっしり構えていてもいいはずなのに、BSよしもとも含めると、細かい仕事にも全力で取り組んでいます。関西ローカルの番組もお笑い純度が高かったり、ローカルならではのとがった意見も飛び交いますが、それをMCとして見事にさばいています。配信サイトでローカル番組も全国で見ることができる今、東野さんのMCとしての評価はうなぎのぼりです」
バラエティーも情報番組も仕切り、ロケもこなす東野。デビュー当時からコンビ同然の距離感で切磋琢磨(せっさたくま)してきた今田耕司は一足先に大御所となった感があるが、現在の東野の勢いは今田以上だろう。長年、ピン芸人として活躍し続けてきたが、やっと自分がやりたい仕事を自分のペースでやれるようになったということかもしれない。